事業紹介
放射線透過試験は、X線やγ(ガンマ)線と呼ばれる放射線を利用して、溶接部等の内部、材料や構造物の内部のきずの検出、コンクリート構造物の内部構造の調査など、内部きずの検出を主な目的とした検査方法です。検査には、X線フィルムを使用し、きずのある部分と無い部分とでは、透過写真に濃度差が生ずるため、この濃度差によりきずの有無や大きさ、種類を判別することが可能となります。また、最近ではX線フィルムの代わりにイメージングプレート(IP)と呼ばれる透過した放射線の強さを記録できるものを使いコンピュータによる画像処理を行えるコンピューテッド・ラジオグラフィー(CR)が開発され、デジタル処理することで、より見やすい画像にすることが可能です。
超音波は、人の耳には聞こえない高い周波数の音波です。超音波は、金属のような物質の中を通るときには、その内部を直進する性質があり、金属と空気、金属と水といったように違う物質があると、その境界で反射されてしまいます。
超音波探傷試験では、この性質を利用し、金属内部のきずの検査や、厚さの測定に利用されます。超音波探傷は、大きく2種類の方法に分類されており、金属中に垂直に超音波を入射し、反対側で反射して帰ってくるまでの時間を計測する方法と、金属表面から、斜めに超音波を入射し、金属内部のきずで反射して帰ってくるまでの時間を測定する方法があります。前者を垂直探傷法、後者を斜角探傷法と称しています。
きずの内部には、多くの場合空気やその他のガスを含んでおり金属と他の物質との境界を形成しており、その境界で超音波が反射されます。
このとき反射された超音波を受信することで、きずの位置や大きさを求めています。放射線透過試験と同様に、特に内部のきずを検出する目的で使用されています。
磁石に吸着されるような物質を磁性体と呼びます。反対に吸着されない物質は非磁性体とよばれます。磁粉探傷試験は、磁石に吸着される物質でないと利用できません。例えば、鉄(磁性体)の表面に磁場を与えると、表面は磁化されます。このとき、鉄の表面若しくは表面近くに目に見えないような割れがあったとすると、その部分で磁束(磁力の束)が漏洩し、割れの両端に磁極が発生し、小さな磁石となります。この部分に、着色した磁粉を適用すると、割れによってできた小さな磁石に吸着され、吸着された磁粉が磁石となり、次の磁粉を吸着します。このため、割れによってできた磁石に吸着された磁粉は、実際のきずより拡大され、数倍から数十倍になり、人の目で見える程度の大きさとなります。このような性質を利用した試験方法を磁粉探傷試験と呼び、表面及び表面近傍のきずの検出に広く用いられています。
表面に存在する割れなどに浸透液と呼ばれる液体をスプレーまたは刷毛により塗布すると、毛管現象により浸透液は、きずの内部に吸い込まれていきます。
水や洗浄液と呼ばれる液体で、表面にスプレーまたは塗布した余分な浸透液を除去します。その後、白色の現像液と呼ばれる現像剤を適用します。現像剤には白色の微粉末が含まれており、現像剤をスプレーや塗布すると、割れの中に残っている浸透液が毛細管現象により吸い出され、拡大されたきず模様が形成されます。浸透探傷試験は、金属のみならず、非金属にも適用可能で、スポンジの様な多孔質のもの以外であれば、全て適用可能です。しかしながら、毛細管現象を利用していることから、きずが表面に開口している必要がありますが、現在最も広く用いられている検査方法です。
金属導体に交流を流したコイルを近づけ、その交流磁束が導体を貫くように適用すると、導体表面に同心円状の渦電流が発生します。このとき導体表面にきずがあると、渦電流はきずを避けるように変化します。
その結果、渦電流による磁束も変化し、導体から逆起電力が発生します。この逆起電力がコイルを貫くように作用するため、コイルのインピーダンス(直流に於ける抵抗に相当)が変化します。このインピーダンス変化を電気的に測定することで、きずの有無を判別する検査手法です。また、交流を用いているため、渦電流の発生は表面で大きく、内部に行くに従い小さくなっていきます。
この原理を利用し、きずの深さや内外面の判別を行うことができます。渦電流試験は、電気が流れる物質(導電体)主に熱交換器チューブに広く利用される検査手法です。
機器、プラント設備、建築構造物等の完成前の製品について、製造上の不良、不具合等がないか、品質保証上の観点で非破壊検査を実施するものです。
建築構造物では、鉄骨、鉄筋溶接部に関して第3者による受入れ検査として超音波探傷試験(UT)を実施しています。
その他、機器、プラント設備の製品製造過程では、放射線透過試験(RT)、超音波探傷試験(UT)、磁粉探傷試験(MT)、浸透探傷試験(PT)、渦電流探傷試験(ET)、等様々な非破壊検査手法を駆使しています。
プラント設備が運転開始した後に、設備保全上の管理を行うために実施する検査です。プラント設備の定修、定検工事では、プラント設備を完全に停止し開放検査を実施しています。それら開放検査時には、放射線透過試験(RT)、超音波探傷試験(UT)、磁粉探傷試験(MT)、浸透探傷試験(PT)、渦電流探傷試験(ET)の様々な非破壊検査手法が、プラント設備、機器の各々の特性に合わせて実施されています。
また、日常の保守点検業務の一環として、プラント設備の稼働中に実施されるスクリーニング検査があります。当社独自の保有技術であるThru-VUシステム、MsTガイド波探傷システム、UT-twoによる配管腐食検査は、プラント設備の稼働中でも対応可能な非破壊検査手法です。
当社にて、長年培ってきた非破壊検査技術の経験を広く活用戴けるよう、各種技量を保持した技術員の派遣業務を実施しています。代表的な業務内容を下記に示しますが、お客様の具体的なご依頼に対し、検討対応させて戴きますのでご用命願います。
○検査技術者の派遣(国内、海外)
○QA/QC業務(国内、海外)
○上記に付随する製品受入れ検査、工程ドキュメント管理、等の業務
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